Good luck, myself!

どうしてこういうことになっちゃったの?

まるで、もはや別れることが避けられなくなった恋人同士のような心境だ。

自分でもあきれるほど手際よく、退職の段取りは進んだ。

残務となったタスクは整理して後任者に引継ぎ、関係先には適時報告し、特に強い関係にあった人たちには、たとえそれが博多や仙台であっても赴いてお礼を述べ、最終日は使った備品やデスクをきれいに拭き上げ、定刻になったら頭を下げ速やかに立ち去る。自慢するような話ではないが、もはや洗練された儀式の趣さえ漂う。

儀式を粛々と進めながらも、僕は退職を決めた理由を考えていた。自ら進んで辞めるにも関わらず、腑に落ちない自分がいる。まことに不思議な話だと思う。たった1年前、本意とは言えない配属先から、希望するセクションへの異動が叶い、僕はそれなりに希望や期待を抱いていたはずだった。

希望が、あるいは期待が過ぎたのだろうか?

これまで何回も転職を繰り返している僕は、その都度、それなりに合理的な退職理由を見出してきた。たとえそれが後付けの理由や相手の事情だったとしても、いくつもの与件がきっちりかみ合い、無理や矛盾がないストーリーを立ち上げてきた。キャリアコンサルタントと称する人たちの言うキャリアマップとは、とどのつまり、そういうものだと理解していた。今回、僕は、到底地図になりそうにない数々の与件を前に途方に暮れている。

別に悪い話ではない。結論を書く。

このもやもやは、僕にまた一つ、新しい視点をもたらすだろう。

このもやもやは、これからの僕に、思慮深さを求めるだろう。

このもやもやは、次の仕事に取り組む時に、僕に活力を与えるだろう。

グッラック!>自分

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