かつてゴールデンウィークと呼ばれた春の大型連休

春の大型連休、今年も嬬恋村にある親戚宅で長めの休みを過ごしている。思えば2年前、この国では初めての非常事態宣言が発出されていた。当時、「自粛要請」という語義矛盾を孕む言葉が普通に語られ、営業を続ける飲食店に警告したり、県外ナンバーの車に危害を加える自粛警察がニュースで話題になっていた。

僕らは、車に積めるだけの食糧を買い込んで、この辺鄙な場所に疎開 ーまさに疎開という言い方がぴったりだったー してきた。町に出ることもなく、家とその周りに閉じこもり、まるでアジトに潜むようにして、ひっそりと数週間ばかりを過ごしたのだった。

あれから丸2年が経った。好天と荒天が交互に訪れるこの季節、晴れた日は屋外で体をめいいっぱい動かし、雨が降れば晴れの日に備える。日が昇れば一日が始まり、日が沈めば布団に入る。普段は使わない筋肉と脳細胞を刺激して、また都会での日常に戻る。

コロナ禍とは関係なく、たぶんもはや年中行事になっている。
この時季、あたりまえのように、今年はなにしようか、ということになるのだろう。

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